観光地の陶芸場での電動ろくろ体験では、普通はお店の人がろくろの上に粘土を据え付けて、おぜん立てをしてくれています。本格的に陶芸をやろうとする場合は、原材料の粘土から空気を抜くための菊練りという手技もできるようになっておきたいところです。
最初は全然できませんでした。月1回くらいのペースで練習して、1年ぐらいでなんとかこれぐらいできるようになりました。我流かもしれませんが、コツがつかめたような気がします。
私がつかんだ菊練りのコツ(我流ですが)
菊練りの前に荒練り
・工程としては、菊練りの前に「荒練り」という工程があります。最初に支給される粘土を均質にするために行います。最初、粘土はほぼ直方体なのですが、それを立てて、上から1/3くらい折り畳みながら、前方下へ押しつぶします。押しつぶした先端を掴み上げ、また折りたたんで押しつぶすことを繰り返します。そうすると、横長の円筒状に粘土が伸びてきますが、粘土をまんべんなく回転させながら伸ばすために、円筒状の向こう側をちょっと引っかけ上げて、手前に回して落とすという操作を行います。この「ちょっと引っかけて回して落とすという」操作はこのあとの菊練りにおいても重要なので、その練習のつもりでも行います。私もこれを陶芸教室で教えてもらってよかったと思います。横に長く伸ばした後、畳んで角の丸い直方体状にします。
菊練り:最初の押しつぶし
・荒練りを2回くらい行った後、菊練りにとりかかります。人によって押す利き腕と回転方向が違います。私は左手で押し、反時計回りに回しています。直方体の粘土を台の上で、できるだけ自分の上半身の真下に置き、右手は粘土のてっぺんを軽く掴み、左手は上から1/3くらいのところにのど輪押しのようにあてがって、ひじを伸ばし、上半身の体重をかけて時計の1時の方向に粘土を押しつぶしていきます。自分の体重で粘土が変形していくところを体感してください。
菊練り:2回目以降の押しつぶし
・最初の押しつぶしの後、右手で粘土を起こして立てます。このとき、次に左端を折り畳みやすいように、少し(15から30度くらい)反時計方向に回します。最初に押しつぶされて凹んだ左端を折り畳むように真下に体重をかけて押していきます。確実に折り畳めるところまで真下に押したところで、体重をかける方向をやや前方にずらしてさらに下まで押しつぶします。この折り畳み動作で押した跡がひだになります。少しずつ粘土を回しながら、繰り返していくと菊練り特有のひだ模様ができます。私はリズムよく行うことよりも、確実にまず真下に折り畳み、それから前方へ押しつぶすことを重視して、必要ならばゆっくり行います。右手はうまくいっていればちょっと支える程度の役割ですが、理想の状態からずれそうなときに臨機応変に、粘土の位置を修正したり、縁の形を整えたりすることに使っています。
菊練り:巻き上げ
・菊練りの練りはを何周か行った後、ひだを少しずつ巻いて閉じていき、砲弾状にします。ひだに空気を閉じ込めないようにする必要があります。ちょっと引っかけ上げて回し、落とす動作がここで有効と思います。きめ細かく巻き上げを行っておくと、後のろくろ工程での土殺し作業が非常に楽になります。
菊練り1回中の練りが50回、巻き上げ後、上下を反対にしてもう1セットが理想の回数とされているらしいです。ただし、粘土中の水分の状態によってはあまりやりすぎると、粘土が乾燥してきて、ひび割れができてしまいます。その場合、私は無理せず、菊練りは少なめで切り上げて、ろくろでの土殺しでカバーするようにしています。
0 件のコメント:
コメントを投稿